大きな手術を経験して、改めて考えた「人生で本当に大切なもの」 ―当たり前の日常を失いかけて、初めて見えてきたこと ―

「あなたにとって、人生で本当に大切なものは何ですか?」

そう聞かれたら、あなたは何と答えるでしょうか。健康、家族、仕事、お金、友人、夢、自由、自分らしく生きること——きっと答えは、人によって違うと思います。そして、そのどれもが間違いではありません。

私自身も、これまで何度も「健康は大切です」「家族は大切です」「自分の時間を大切にしましょう」と伝えてきました。頭では、ずっと分かっていたつもりでした。でも、今回大きな手術を経験して、改めて感じたことがあります。それは、頭で分かっていることと、心の底から実感することは違うということです。

健康が大切だと知っていることと、健康でいられるありがたさを本当に感じることは違います。家族が大切だと分かっていることと、そばにいてくれる人の存在に救われることは違います。普通の一日がありがたいと聞いたことがあることと、普通に過ごせる一日を心からありがたいと思うことは違うのです。

こんにちは、ハーバード大学流心理学で心と脳をポジティブに整える専門家、長沢修司です。

今日、新しい気付きや心動くこと見つけましたか?

自分の強みを生かしながら、モチベーション高く、前向きに、そして、ワクワクしながら、自分で考え行動し、ポジティブで健康な心で生きられるようにサポートしています。

今日は少し、いつものようなノウハウや習慣の話ではなく、私自身の経験を通して考えたことをお話ししたいと思います。大きな手術を経験して、改めて見えてきた「人生で本当に大切なもの」についてです。

それまでの私は「これから何をするか」を考えていた

手術を受ける前の私は、これからのことをよく考えていました。これからどんな仕事をしていくのか、ブログで何を伝えていくのか、YouTubeでどんなメッセージを届けるのか、電子書籍をどう形にするのか、新しい事業をどのように広げていくのか。

年齢を重ねても、まだやりたいことはたくさんありました。「まだできる」「もっとやりたい」「次は何をしよう」——そんな気持ちがありました。もちろん、それは悪いことではありません。人生の後半に入っても挑戦したいことがある、誰かの役に立ちたいと思える、自分の経験を次につなげたいと思える。それは、とてもありがたいことだと思います。今でも、その気持ちは変わっていません。これからも仕事をしたいですし、新しいことにも挑戦したいと思っています。

ただ、振り返ると、知らないうちに意識が少し偏っていたのかもしれません。「何をするか」「何を成し遂げるか」「どんな形にするか」——そうしたことに、思っていた以上に心が向いていました。

もちろん、目標を持つことは大切です。でも、今回の経験を通して、その前にもっと大切なものがあるのではないかと感じるようになりました。何かをする前に、まず生きていること。挑戦する前に、健康でいられること。成果を出す前に、大切な人と今日を過ごせること。それらは、当たり前のようでいて、決して当たり前ではありませんでした。

手術を前にして、人生の時間を意識した

大きな手術を受けることになれば、誰でも不安を感じると思います。もちろん、医療を信じていますし、支えてくださる方々にも感謝しています。それでも、自分の身体に大きな出来事が起こると分かったとき、人は自然と立ち止まります。「これから自分はどうなるのだろう」——そんな不安もありました。

けれど、それだけではありませんでした。手術を前にして、私は自分の人生そのものについて考える時間が増えました。

若い頃は、人生にはまだ十分な時間があると思っていました。やりたいことは、いつかできる。会いたい人には、また会える。大切なことは、あとで考えればいい。忙しい今を乗り越えたら、いつかゆっくり向き合える。そう思っていたところがあったのかもしれません。

でも年齢を重ね、さらに手術という経験を前にすると、「いつか」は永遠に続くわけではないのだと感じます。これは、不安を煽るために言っているのではありません。むしろ逆です。人生に限りがあると実感したからこそ、「では、その時間を何に使いたいのか」という問いが、自分の中に生まれました。

これからの時間を、何に使いたいのか。誰と過ごしたいのか。何を大切にしたいのか。何を手放してもいいのか。何を残していきたいのか。普段の忙しさの中では、なかなか考えない問いです。でも、人生の時間を意識したとき、その問いはとても大切なものとして浮かび上がってきました。

手術のあと、当たり前だったことが当たり前ではなくなった

手術のあと、普段なら何とも思わなかったことが、少し違って見えるようになりました。自分で起き上がること。歩くこと。食事をすること。外の空気を吸うこと。家族と話すこと。いつもの場所に戻ること。仕事について考えられること。それまで当たり前だと思っていた一つひとつが、実はとてもありがたいことだったのだと感じました。

何も特別なことが起きなくてもいい。朝、目が覚める。体を起こす。食事をする。誰かと少し話す。外の景色を見る。夜、布団に入る。そんな普通の一日が、どれほど大切なものだったのか。手術を経験して、改めてそのことを感じました。

幸せとは、特別な出来事の中だけにあるのではありません。大きな成功をした日だけが、幸せな日ではありません。誰かに評価された日だけが、価値ある日でもありません。何も起きない普通の一日、大きな問題なく過ごせた一日、いつものように家族と話せた一日。そうした一日は、退屈な一日ではなく、実はとてもありがたい一日だったのだと思います。

失いかけて初めて、その価値に気づくことがあります。本当は、ずっと近くにあったのに、忙しさの中で見えなくなっていたのかもしれません。

人生の優先順位が少し変わった

今回の経験を通して、人生の優先順位が少し変わりました。もちろん、仕事は大切です。挑戦もしたいですし、まだ実現したい夢もあります。誰かの役に立つ活動も続けていきたいと思っています。でも、その上にあるものが、以前よりはっきり見えてきました。

まず、健康です。健康は、何かをするための手段のように考えられがちです。仕事をするために健康でいる。夢を叶えるために健康でいる。家族を支えるために健康でいる。もちろん、それも大切です。でも今は、健康そのものが人生の土台なのだと感じます。健康でいられるから、歩ける。食べられる。話せる。考えられる。誰かに会える。何かに挑戦できる。すべては、そこから始まっています。

次に、大切な人との時間です。家族や大切な人と話せること。心配してくれる人がいること。そばにいてくれる人がいること。それは、決して当たり前ではありません。「いつでも会える」「いつでも話せる」——そう思っていると、つい後回しにしてしまいます。でも、本当はその時間こそ、人生の中心に置くべきものなのかもしれません。

そして、自分の時間です。忙しさで予定を埋めることが、充実とは限りません。何かに追われるように過ごしていると、本当に大切なことを考える余白がなくなります。これからは、自分の時間をただ埋めるのではなく、意味のあることに使いたいと思うようになりました。静かに考える時間。体を休める時間。大切な人と過ごす時間。自分が本当に価値を感じる仕事に向き合う時間。そうした時間を、もっと丁寧に扱いたいと思っています。

そしてもう一つは、誰かの役に立つことです。自分が何を得るかだけではなく、何を残せるか。誰に何を渡していけるか。これまでの経験や学びを、誰かの支えになる形で届けられるか。そのことを、以前より強く考えるようになりました。

「成功」の意味も少し変わった

若い頃の成功は、どうしても外側の基準になりやすいものです。仕事で結果を出すこと。人から評価されること。収入を得ること。何かを成し遂げること。肩書きや実績をつくること。もちろん、それらも大切です。努力して結果を出すことは素晴らしいことですし、誰かに評価されることも励みになります。

でも人生の後半に入ると、成功の意味は少し変わってもいいのではないかと思うようになりました。健康でいられること。大切な人と笑えること。自分が意味を感じる仕事ができること。誰かの役に立てること。夜、布団に入るときに、「今日も悪くなかった」と思えること。これも、立派な成功ではないでしょうか。

世間から大きく評価されなくてもいい。誰かと比べて優れていなくてもいい。自分にとって大切なものを大切にできた一日なら、それは十分に価値のある一日です。成功とは、何を持っているかだけで決まるものではありません。どう生きているか。何を大切にしているか。誰と時間を過ごしているか。自分が意味を感じることに、どれだけ心を向けられているか。そうしたものも、これからの人生では大切な成功の形なのだと思います。

だからといって「夢を諦める」わけではない

ここまで読むと、「健康や家族を大切にするなら、もう無理をせず、夢や挑戦は手放すということですか」と思う人もいるかもしれません。でも、私はそうは考えていません。

むしろ、人生に限りがあると感じたからこそ、本当にやりたいことには時間を使いたいと思うようになりました。ただし、何でも抱え込むのではありません。やらなくてもいいことは減らす。人からどう見られるかを気にしすぎない。必要以上に自分を追い込まない。自分の心と身体を置き去りにしない。そのうえで、本当に意味を感じることには挑戦したい。

私にとっては、レジリエンスや自己革命を伝えることが、その一つです。人生の途中で立ち止まっている人に、もう一度歩き出すきっかけを届けること。「もう遅い」と思っている人に、「まだここから変われる」と伝えること。自分自身の経験も含めて、誰かの支えになる言葉や場をつくること。それは、これからも続けていきたいことです。

人生後半の自己革命とは、すべてを捨てて別人になることではありません。本当に大切なものを見つめ直し、これからの時間を何に使うのかを選び直すことです。今回の経験は、その問いを私に改めて投げかけてくれました。

レジリエンスについても、考え方が深くなった

手術を経験して、レジリエンスについての考え方も少し深くなりました。私はこれまで、レジリエンスを「困難から立ち直る力」と伝えてきました。それは今も変わりません。ただ、今回の経験を通して感じたのは、「元に戻る」ことだけがレジリエンスではないということです。

手術前の自分と、まったく同じ状態に戻ることだけが回復ではありません。大きな経験をしたあと、人は少し変わります。大切にするものが変わる。働き方が変わる。人との関わり方が変わる。人生の速度が変わる。無理をしすぎない選択をするようになる。それでいいのだと思います。

逆境を経験したあと、以前と同じ場所に戻ることだけが正解ではありません。その経験を通して、新しい価値観を持った自分として再び歩き出す。それもレジリエンスです。むしろ場合によっては、以前とは違う方向へ進むことも、本当の意味での回復なのかもしれません。

つらい経験をしたからこそ、見えるものがあります。立ち止まったからこそ、気づくものがあります。思うように動けない時間があったからこそ、これからの生き方を見直せることがあります。レジリエンスとは、ただ元通りになる力ではありません。経験を抱えたまま、それでも新しい自分として歩き出す力なのだと、今は感じています。

今だからこそ、この仕事を続けたい

今回の経験を通して、私は改めて「この仕事を続けたい」と思いました。レジリエンスを説明するだけではなく、人生の途中で立ち止まっている人に届けたい。これからどう生きようか迷っている人に届けたい。「もう遅い」と思っている人に届けたい。「人生は、ここからもう一度始められる」——そのことを伝えていきたいのです。

30年以上の教育経験があります。これまで学んできた心理学があります。そして今回、自分自身が手術や休養を経験する中で感じたことがあります。それらを、これからはもっと深く、もっと丁寧に、誰かの役に立つ形で届けていきたいと思っています。

人は、何歳からでも人生を見直すことができます。すぐに大きく変わらなくてもいいし、劇的な挑戦をしなくてもいい。まずは、自分にとって大切なものを思い出すこと。自分の心と身体を大切にすること。今日という一日を丁寧に生きること。そこから、人生は少しずつ変わっていきます。私はそのことを、言葉として、学びとして、実践の場として届けていきたい。今だからこそ、そう強く思っています。

あなたの人生で、本当に大切なものは何ですか?

ここで、改めてあなたにも問いかけたいと思います。あなたの人生で、本当に大切なものは何ですか。

すぐに答えを出さなくても大丈夫です。きれいな言葉にまとめる必要もありません。ただ、少しだけ立ち止まって考えてみてください。もし自由に使える時間が、今より少ないとしたら、あなたは誰と過ごしたいですか。今、忙しさの中で後回しにしている大切なものはありませんか。これからの人生で、「これだけは大切にしたい」と思うものは何でしょうか。

答えは、一つでなくてもいいと思います。時期によって変わってもいいと思います。大切なのは、問い続けることです。人生で本当に大切なものは、忙しさの中では見えにくくなります。だからこそ、ときどき立ち止まって、自分に問いかける時間が必要なのだと思います。

人生で本当に大切なものは、すでに近くにあった

 

手術を経験したからといって、私はまったく別の人間になったわけではありません。今でも仕事をしたいですし、新しいことにも挑戦したいです。まだ実現したいこともたくさんあります。ただ、その順番が少し変わりました。

何を成し遂げるかの前に、どう生きるか。どれだけ進むかの前に、何を大切にして進むか。誰かにどう見られるかの前に、自分が何を本当に大切にしたいのか。そのことを、以前よりも考えるようになりました。

健康でいられること。大切な人がいること。普通の一日を過ごせること。そして、自分が意味を感じることに時間を使えること。それらは、特別な成功の陰に隠れてしまいがちです。でも本当は、人生を支えている一番大切なものなのかもしれません。

人生で本当に大切なものは、遠くに探しに行かなければ見つからないものではありません。大きな成果を出した先にだけあるものでもありません。すでに自分のそばにあったもの。当たり前だと思っていた日常の中にあったもの。今回の経験は、そのことを私に教えてくれました。

これからも私は、自分にとって大切なものを見失わないようにしながら、できることを一つずつ積み重ねていきたいと思います。そして、同じように人生の途中で立ち止まっている人に、「ここからでも、もう一度歩き出せる」ということを伝えていきたいと思っています。

それではまた!

関連記事

  1. 逆境は本当にチャンスなのか? ― きれいごとではない話

  2. あなたは自分の強みを知っていますか?

  3. 不安な時代だからこそやっぱり必要!今こそレジリエンス

  4. 「自信がない人」と「自信がある人」の決定的な違い

  5. こんな時代だからこそポジティブ心理学

  6. 頑張っているのに報われないと感じるときに読んでほしい話

朝活学習会In札幌情報

 

 

次回の第64回朝活学習会は
未定(日)
9:00~

詳しくはこちらから

 

研究所通信を読む

研究所通信は、週2回発行されています。

 

どなたでも無料で読むことができます。

 

ブログでは書ききれなかったことや
特別支援教育やレジリエンス教育に
関する新しい情報が載っています。

 

通信を読んでみる

 

通信が、迷惑メールに入って

いないか確認してね。

 

LINE公式アカウント

 

気軽に登録して、いろいろ質問してみてください。いろいろな情報も届きます。

 

友だち追加

最近の記事

人気の記事 おすすめ記事

代表ツイッター

PAGE TOP