私はこれまで、教育の現場や研修の場で、たくさんの方の相談を受けてきました。
その中でも特に多いのが、
「自信がありません」
という言葉です。
新しいことに挑戦したいけれど、なかなか勇気が出ない。
- 人前で話すのが苦手。
- 失敗するのが怖い。
- 自分には無理だと思ってしまう。
年齢や職業に関係なく、多くの人が「自信のなさ」に悩んでいます。
そして不思議なことに、周りから見れば十分に努力していて、立派に見える人ほど、「自分には自信がない」と感じていることもあります。
こんにちは、ハーバード大学流心理学で心と脳をポジティブに整える専門家、長沢修司です。
今日、新しい気付きや心動くこと見つけましたか?
自分の強みを生かしながら、モチベーション高く、前向きに、そして、ワクワクしながら、自分で考え行動し、ポジティブで健康な心で生きられるようにサポートしています。
では、自信がある人と、自信がない人の違いはどこにあるのでしょうか。
・生まれつきの性格なのでしょうか。
・これまでの才能や実績の差なのでしょうか。
私は、そうは思いません。
自信は、生まれつき決まっているものではありません。
自信は、日々の行動や考え方によって、少しずつ育てていくことができるものです。
自信とは何か?

まずは、「自信」とは何かを考えてみましょう。
多くの人は、
「自信がある人=何でもできる人」
だと思っています。
堂々としていて、失敗せず、いつも前向きで、どんな場面でも迷わず行動できる人。
そんなイメージを持っているかもしれません。
しかし、実際にはそうではありません。
自信がある人も、不安になります。
失敗することもあります。
落ち込む日もあります。
「本当に大丈夫かな」と迷うこともあります。
それでも、一歩を踏み出せる。
ここに大きな違いがあります。
心理学では、
「自分ならできると思える感覚」
を自己効力感と呼びます。
つまり自信とは、能力そのものではありません。
「絶対に成功できる」と思うことでもありません。
大切なのは、
「自分にはできるかもしれない」
「やってみれば、何とかなるかもしれない」
と思える感覚です。
この感覚がある人は、たとえ不安があっても行動できます。
反対に、この感覚が弱いと、実際には能力があっても、挑戦する前に止まってしまうのです。
自信がない人の特徴
自信がない人には、いくつか共通する考え方があります。
できていないことばかり見てしまう
まず一つ目は、
「できていないことばかり見てしまう」
ということです。
たとえば、テストで90点を取ったとします。
多くの人から見れば十分に良い結果です。
しかし自信がない人は、
「90点取れた」
ではなく、
「10点も足りなかった」
と考えてしまいます。
仕事でも同じです。
全体の9割がうまくいっていたとしても、残り1割のミスばかりが気になってしまう。
周りから褒められても、自分では納得できない。
このように、自分の成果よりも、不足している部分に意識が向きやすいのです。
もちろん、改善点に気づくことは大切です。
しかし、できたことをまったく認めず、できなかったことだけを見続けていると、自信は育ちません。
他人と比較することが多い
二つ目は、
「他人と比較することが多い」
ということです。
SNSを開けば、誰かの成功や楽しそうな日常が目に入ります。
- 同年代の人が活躍している。
- 友人が新しい挑戦をしている。
- 職場の人が評価されている。
- 自分より先に進んでいるように見える人がいる。
そうした情報に触れるたびに、
「それに比べて自分はまだまだだ」
と感じてしまうことがあります。
しかし、比較には終わりがありません。
どれだけ努力しても、上には上がいます。
誰かと比べ続ける限り、「自分は十分だ」と思える日はなかなか来ません。
自信がない人ほど、自分の成長ではなく、他人との差ばかりを見てしまいます。
その結果、自分の中にある小さな前進に気づけなくなってしまうのです。
失敗を大きく捉えすぎてしまう
三つ目は、
「失敗を大きく捉えすぎてしまう」
ということです。
一度うまくいかなかっただけで、
「やっぱり自分には無理だ」
「自分は向いていない」
「また失敗するに決まっている」
と考えてしまう。
しかし本来、失敗はその人の価値を決めるものではありません。
失敗は、ただの経験です。
- うまくいかなかった方法が一つわかった。
- 次に改善するための材料が増えた。
- 今の自分に必要な課題が見えた。
本来は、そう捉えることもできます。
ところが自信がない人は、失敗を「経験」ではなく、「自分の価値の証明」のように受け止めてしまいます。
だから一度の失敗が、とても重く感じられるのです。
自信がある人の特徴
では、自信がある人は何が違うのでしょうか。
実は、自信がある人が特別な能力を持っているとは限りません。
いつも成功しているわけでもありません。
不安がないわけでもありません。
大きく違うのは、
失敗の捉え方
です。
自信がある人は、失敗したときに、
「自分はダメだ」
とは考えません。
もちろん落ち込むことはあります。
悔しいと感じることもあります。
それでも最後には、
「次はどうすればよくなるだろう」
「何を変えれば改善できるだろう」
と考えます。
つまり、自分自身の価値と、起きた出来事を切り離して考えることができるのです。
失敗したからといって、自分の価値がなくなるわけではない。
うまくいかなかったのは、やり方や準備に改善点があっただけかもしれない。
そう考えられるから、次の行動に移ることができます。
また、自信がある人は完璧を求めすぎません。
最初から完璧にやろうとするのではなく、まずやってみる。
やってみて、うまくいかなかった部分を直す。
少しずつ改善していく。
この考え方を持っています。
だから行動できます。
行動するから経験が増えます。
経験が増えるから、できることが増えます。
できることが増えるから、自信が育ちます。
この良い循環を作れていることが、自信がある人の大きな特徴です。
自信は「結果」ではなく「行動」から生まれる

ここは、とても大切なポイントです。
多くの人は、
「成功したら自信がつく」
と考えています。
もちろん、成功体験が自信につながることはあります。
しかし実際には、自信は成功だけから生まれるものではありません。
むしろ、自信は行動から生まれます。
- 初めて人前で話してみた。
- 初めて新しいことに挑戦してみた。
- 初めて自分の意見を言ってみた。
- 初めて嫌なことを断ってみた。
結果がどうであれ、
「自分は行動できた」
という事実が残ります。
この経験が、自己効力感を育てていきます。
もちろん、最初からうまくいくとは限りません。
緊張するかもしれません。
言葉に詰まるかもしれません。
思ったような結果にならないかもしれません。
それでも、行動したという経験は消えません。
「怖かったけれど、やってみた」
「不安だったけれど、逃げずに向き合った」
「完璧ではなかったけれど、一歩踏み出せた」
この積み重ねが、
「自分にもできるかもしれない」
という感覚を育てていくのです。
自信を持ってから行動するのではありません。
行動するから、自信が少しずつ生まれてくるのです。
小さな成功体験が人生を変える
自己効力感の研究で知られる心理学者アルバート・バンデューラは、自己効力感を高める大きな要素として「成功体験」を挙げています。
ここで大切なのは、成功体験といっても、大きな成果である必要はないということです。
- 資格に合格する。
- 大きな仕事を成功させる。
- 誰かに高く評価される。
- 人生が劇的に変わる。
もちろん、こうした経験も自信につながります。
しかし、もっと身近な成功体験でも十分です。
- 今日も散歩できた。
- 本を1ページ読めた。
- 朝、予定通りに起きられた。
- 誰かに挨拶できた。
- やろうと思っていたことを一つ終わらせた。
こうした小さな達成も、立派な成功体験です。
私たちはつい、大きな成功ばかりを求めてしまいます。
しかし人生を変えていくのは、目立つ成果だけではありません。
日々の中にある小さな成功体験の積み重ねです。
「今日もできた」
「昨日より少し進めた」
「完璧ではないけれど、行動できた」
この感覚を積み重ねることで、自分への信頼が少しずつ育っていきます。
そして、その自分への信頼こそが、自信の土台になるのです。
レジリエンスと自己効力感
私はレジリエンスを、
「心の筋肉」
と表現しています。
レジリエンスとは、困難や失敗に直面したときに、そこから立ち直る力のことです。
そして、そのレジリエンスの中でも特に大切なのが、自己効力感です。
「自分にはできる」
「きっと乗り越えられる」
「失敗しても、また立ち上がれる」
そう思える人は、逆境の中でも行動を止めにくくなります。
たとえ落ち込んでも、そこから戻ってくることができます。
一方で、自己効力感が低いと、少しの失敗でも心が折れやすくなります。
「どうせ無理だ」
「自分にはできない」
「また失敗するだけだ」
そう考えてしまうと、行動する前に諦めてしまうこともあります。
だからこそ、自己効力感はレジリエンスの中心にある力だと言えます。
強い人とは、何があっても傷つかない人ではありません。
傷ついても、失敗しても、また立ち上がれる人です。
その土台になるのが、
「自分なら、もう一度やってみることができる」
という感覚なのです。
自信は年齢とともに育てられる

40代、50代、60代になると、
「今さら自信なんて持てない」
「もう性格は変わらない」
「若い頃から自信がなかったから、これからも同じだ」
と思う人もいます。
しかし、それは誤解です。
自信は、生まれつき決まっているものではありません。
才能だけで作られるものでもありません。
自信は、日々の習慣によって育てていくことができます。
今日できたことを認める。
小さな挑戦をしてみる。
失敗から学ぶ。
自分を責めすぎない。
他人ではなく、昨日の自分と比べる。
こうした積み重ねによって、自己効力感は何歳からでも育っていきます。
年齢を重ねているからこそ、過去の経験を活かすこともできます。
うまくいかなかったことも、乗り越えてきたことも、すべてが自分の土台になります。
自信は、ある日突然湧いてくるものではありません。
毎日の小さな行動と、自分への小さな承認によって、少しずつ育っていくものなのです。
今日できる小さな一歩
では、自信を育てるために、今日から何をすればよいのでしょうか。
おすすめしたいのは、とてもシンプルな方法です。
今日の夜、ノートを1冊用意してください。
そして、
「今日できたことを3つ」
書いてみてください。
どんなに小さなことでも構いません。
- 朝起きられた。
- 仕事に行けた。
- 家事を一つ終わらせた。
- 誰かにありがとうと言えた。
- 少しだけ体を動かせた。
- 予定していたことを一つ進められた。
大切なのは、立派なことを書くことではありません。
「できたこと」に目を向ける練習をすることです。
自信がないとき、人はどうしても「できなかったこと」ばかりを見てしまいます。
だからこそ、意識して「できたこと」を探す必要があります。
最初はなかなか見つからないかもしれません。
でも続けていくうちに、少しずつ見える景色が変わっていきます。
「自分は何もできていない」と思っていた日でも、実は小さな行動を積み重ねていたことに気づけるようになります。
その気づきが、自分への信頼につながっていきます。
最後に

自信がある人と、自信がない人の違いは、能力ではありません。
過去の実績でもありません。
生まれつきの性格でもありません。
大きな違いは、
「自分にはできるかもしれない」
という感覚を育てているかどうかです。
そして、その感覚は特別な才能から生まれるものではありません。
今日の小さな行動から生まれます。
自信を持ってから行動するのではありません。
行動するから、自信が生まれるのです。
もし今、自信がないと感じているなら、大きな挑戦をしようとしなくても大丈夫です。
まずは、今日できたことを一つ認めてみてください。
そして、明日できそうな小さな一歩を決めてみてください。
その小さな一歩が、未来のあなたを支える大きな力になっていきます。
では、また!































