なぜ人は「変わりたい」と思いながら現状に戻ってしまうのか

「変わりたい」と思ったことは、誰にでもあると思います。

  • もっと健康的な生活をしたい。
  • 毎日コツコツ努力できる自分になりたい。
  • 新しいことに挑戦したい。
  • 今の自分を変えて、もっと前向きに生きたい。

そう思って行動を始めたのに、気づけばいつもの生活に戻ってしまう。

そして、「やっぱり自分は変われないのかもしれない」と落ち込んでしまうことがあります。

でも、変われない原因は、あなたの意志が弱いからではありません。

人間には、今の状態を保とうとする性質があります。
だからこそ、変化しようとすると、無意識に元の自分へ戻ろうとする力が働くのです。


こんにちは、ハーバード大学流心理学で心と脳をポジティブに整える専門家、長沢修司です。

今日、新しい気付きや心動くこと見つけましたか?

自分の強みを生かしながら、モチベーション高く、前向きに、そして、ワクワクしながら、自分で考え行動し、ポジティブで健康な心で生きられるようにサポートしています。

この記事では、なぜ人は「変わりたい」と思いながら現状に戻ってしまうのか、そして本当に変わるためには何が必要なのかをわかりやすく解説していきます。

変わりたいのに続かない。
何度も決意しているのに、同じ場所に戻ってしまう。

そんな自分を責める前に、まずは「人が変われない理由」を一緒に見ていきましょう。

「今度こそ変わろう」と思ったのに…

年の始まり、誕生日、大きな失敗をしたあと。

あるいは、将来への不安がふと押し寄せてきた夜。

私たちは人生のどこかで、何度もこう思います。

「今度こそ変わろう」

  • もっと健康的に生きたい。
  • 運動を続けたい。
  • 勉強を始めたい。
  • 新しい挑戦をしたい。
  • もっと前向きな自分になりたい。

そう思った瞬間は、確かにやる気があります。

本を買ったり、動画を見たり、計画を立てたりする。
「今回は本気だ」と感じることもあるでしょう。

ところが、数日後、あるいは数週間後。

気づけば、いつもの生活に戻っている。

そして、心の中でこうつぶやいてしまいます。

「やっぱり自分は変われないのかもしれない」

でも、本当にそうなのでしょうか。

私は、そうは思いません。

人は「変われない」のではありません。
ただ、変わろうとするときに働く“ある力”を知らないだけなのです。

人は「変われない」のではない

まず最初に、はっきりお伝えしたいことがあります。

人は、変われないわけではありません。

ただし、私たちの中には、

元の状態に戻ろうとする力

が強く働いています。

これは、意志が弱いからではありません。
根性が足りないからでもありません。

人間の脳は、そもそも「今の状態を維持すること」を好むようにできています。

心理学や脳科学では、この働きを「ホメオスタシス」、日本語では「恒常性」と呼びます。

簡単に言えば、

「今のままでいようとする力」

のことです。

たとえ今の生活に不満があっても、脳にとっては“慣れている状態”が安全です。

だから、変わりたいと思っても、無意識のうちに元の生活へ戻ろうとしてしまうのです。

なぜ脳は変化を嫌うのか

では、なぜ脳は変化を嫌うのでしょうか。

それは、人類が長い歴史の中で「安全」を最優先にして生き延びてきたからです。

  • 未知の場所へ行くこと。
  • 新しい行動をすること。
  • 今までと違う選択をすること。

現代では、それらは成長や挑戦につながるものかもしれません。

しかし、昔の人類にとっては、未知のものは命の危険につながる可能性がありました。

だから脳は、変化に対して敏感です。

新しいことを始めようとすると、心のどこかで不安が生まれる。
慣れない行動を続けようとすると、面倒に感じる。
挑戦しようとすると、理由をつけて先延ばししたくなる。

これは、あなたが怠け者だからではありません。

脳が「変化は危険かもしれない」と判断し、慣れた状態に戻そうとしているだけです。

つまり、ダイエットが続かないことも、勉強が止まってしまうことも、新しい挑戦を先延ばししてしまうことも、ある意味では自然な反応なのです。

「やる気」だけでは変われない理由

多くの人は、変わろうとするときにこう考えます。

「もっとやる気を出さなければ」

もちろん、やる気は大切です。
最初の一歩を踏み出すきっかけになることもあります。

しかし、やる気だけに頼ると、変化は長続きしません。

なぜなら、やる気は感情だからです。

感情には波があります。

昨日は前向きだったのに、今日は何もしたくない。
朝は頑張ろうと思っていたのに、夜には疲れて動けない。
誰かの言葉でやる気になったのに、数日後には忘れてしまう。

このように、感情はとても不安定です。

その不安定なものに行動を任せてしまうと、当然、行動も安定しません。

だから、本当に変わっていく人は、やる気だけに頼りません。

頼るべきものは、気合いではなく、

仕組み

です。

やる気がある日だけ頑張るのではなく、やる気が低い日でも続けられる形を作る。

ここに、変化を定着させる大きなヒントがあります。

人は「決意」ではなく「環境」に支配される

人は、自分で思っている以上に環境の影響を受けています。

たとえば、夜になるとついお菓子を食べてしまう人がいるとします。

その人は、本当に意志が弱いのでしょうか。

もちろん、そうとは限りません。

  • 目の前にお菓子が置いてある。
  • 手を伸ばせばすぐ食べられる。
  • 疲れていて判断力が落ちている。

こうした環境が、自然と行動を引き起こしている場合が多いのです。

反対に、運動が続いている人は、意志の力だけで続けているわけではありません。

  • 帰宅後すぐに着替えられるよう、運動着を用意している。
  • 毎日同じ時間に体を動かすようにしている。
  • 記録をつけて、続いていることを見える化している。

つまり、続けやすい環境を先に作っているのです。

人は、意志よりも環境に大きく影響されます。

だからこそ、変わりたいなら「自分を変えよう」とする前に、「環境を変える」ことが重要です。

お菓子を食べたくないなら、買わない。
勉強したいなら、机の上に本を置いておく。
運動したいなら、すぐ始められる準備をしておく。

小さな環境の変化が、行動を変えるきっかけになります。

「大きく変わろう」とすると失敗する

変化が続かない大きな理由の一つに、

最初から大きく変えようとしすぎること

があります。

たとえば、今まで運動をしていなかった人が、いきなり「毎日1時間走る」と決める。

これまで勉強習慣がなかった人が、「毎日2時間勉強する」と決める。

生活リズムが乱れていた人が、「明日からすべてを完璧に整える」と決める。

最初の数日は、できるかもしれません。

しかし、しばらくすると脳が抵抗を始めます。

  • 疲れる。
  • 面倒になる。
  • 今日はいいかと思う。

一度休むと、そのまま戻れなくなる。

そして、多くの人はここで自分を責めます。

  • 「自分には才能がない」
  • 「やっぱり意志が弱い」
  • 「何をやっても続かない」

でも、それはあなたの能力の問題ではありません。

ただ、最初の設計が大きすぎただけです。

変化は、大きければいいわけではありません。

むしろ最初は、小さすぎるくらいでちょうどいいのです。

変わる人は「小さすぎる一歩」から始める

本当に変わっていく人は、驚くほど小さく始めます。

  • 1分だけ運動する。
  • 1ページだけ本を読む。
  • 1行だけ日記を書く。
  • 机に座るだけにする。
  • 靴を履いて外に出るだけにする。

それくらい小さい一歩から始めます。

なぜなら、小さな行動は脳が抵抗しにくいからです。

「1時間運動しよう」と思うと、脳は面倒に感じます。
でも「1分だけ動こう」なら、始めるハードルはかなり下がります。

「毎日30ページ読もう」と思うと重く感じます。
でも「1ページだけ読もう」なら、できそうな気がします。

この“できそう”という感覚がとても大切です。

人は、できそうだと思えることには取り組めます。

そして、小さな行動でも続けていくと、脳は少しずつこう認識します。

「これは特別なことではない」
「これは日常の一部だ」

ここまで来ると、行動は習慣になり始めます。

変化は、気合いで一気に起こすものではありません。

脳が抵抗しない小さな行動を、何度も積み重ねることで定着していくのです。

変われない人ほど、自分を責めている

ここで、とても大切なことがあります。

変われないと感じている人ほど、実は自分を強く責めています。

  • 「また続かなかった」
  • 「自分は本当に意志が弱い」
  • 「結局、自分はダメなんだ」

そうやって、自分を否定してしまう。

しかし、自己否定は行動するエネルギーを奪います。

人は、自分を責めている状態では前に進みにくくなります。

「どうせ自分には無理だ」と思えば、次の一歩を踏み出す力も弱くなってしまいます。

だから、変わるために必要なのは、もっと自分に厳しくすることではありません。

必要なのは、

戻れる力

です。

一度止まっても、また始める。
予定通りにできなくても、翌日から戻る。
失敗しても、自分を責めすぎず、行動を調整する。

この力を、レジリエンスと呼びます。

変化に必要なのは、完璧に続ける力ではありません。

止まっても、また戻ってくる力なのです。

変わる人は「落ちても戻る」

成功している人や、人生を変えている人は、一度も落ち込んだことがないわけではありません。

むしろ、何度も止まっています。

  • 迷うこともある。
  • 面倒になる日もある。
  • やる気が出ない日もある。
  • 思うように続けられない時期もある。

それでも、また戻ってくる。

ここが大きな違いです。

多くの人は、一度止まると「もう失敗だ」と考えてしまいます。

しかし、本当は一度止まっただけで失敗ではありません。

大切なのは、そのあとです。

  • また1分だけ始める。
  • また1ページだけ読む。
  • また1行だけ書く。

完璧に続けることよりも、止まったあとに戻ることの方が大切です。

変化は、一直線に進むものではありません。

進んだり、止まったり、戻ったりしながら、それでも少しずつ前に進んでいくものです。

習慣は「自己イメージ」を変える

小さな行動を続けていると、ある変化が起こります。

それは、自己イメージの変化です。

最初は「自分は続けられない人間だ」と思っていた人でも、小さな行動を積み重ねることで少しずつ感じ方が変わっていきます。

  • 「自分にもできるかもしれない」
  • 「意外と続けられている」
  • 「前より少し変わってきたかもしれない」

この感覚が生まれると、行動はさらに変わります。

人は、自分が思っている自分にふさわしい行動を取りやすいからです。

  • 「自分は運動する人間だ」と思えれば、運動を選びやすくなります。
  • 「自分は学び続ける人間だ」と思えれば、勉強を始めやすくなります。
  • 「自分は少しずつ変われる人間だ」と思えれば、失敗しても戻ってこられます。

行動が変わると、自己イメージが変わります。
自己イメージが変わると、さらに行動が変わります。
そして行動が変われば、結果も変わっていきます。

人生は、大きな決断だけで変わるのではありません。

日々の小さな行動によって作られる自己イメージが、人生の方向を少しずつ変えていくのです。

なぜ21日間なのか

私は「21日間」という期間を、とても大切にしています。

なぜなら、変化には定着するための時間が必要だからです。

何かを始めたばかりの最初の1週間は、勢いで進めることができます。

  • 「今度こそ変わりたい」
  • 「今回は続けたい」
  • 「新しい自分になりたい」

そんな気持ちがあるため、最初は比較的行動しやすいのです。

しかし、2週目あたりになると壁が来ます。

  • 「少し面倒だな」
  • 「本当に意味があるのかな」
  • 「今日はやらなくてもいいかな」

そう感じる日が増えてきます。

ここで多くの人は、やめてしまいます。

でも実は、この壁を越えることがとても重要です。

小さな行動を続けていると、最初は特別だった行動が、少しずつ日常に近づいていきます。

やらなければならないことではなく、自然とやることになっていく。

この“自然になっていく感覚”こそ、変化が定着し始めているサインです。

だから私は、変化は短期決戦ではないと思っています。

大切なのは、一気に変わることではありません。

小さな行動を、続けられる形で積み重ねること

です。

現状に戻ることは「失敗」ではない

ここを誤解しないでください。

現状に戻ってしまうこと自体は、失敗ではありません。

人間の脳は、元の状態に戻ろうとするものです。

だから、変わろうとしても以前の生活に戻ってしまうことはあります。

問題は、戻ったことそのものではありません。

大切なのは、

戻ったあとに、どうするか

です。

「やっぱり自分には無理だ」と諦めるのか。

それとも、

  • 「少し大きく始めすぎたのかもしれない」
  • 「もっと簡単にできる形にしてみよう」
  • 「もう一度、小さく始めよう」

と考えるのか。

この違いが、未来を大きく分けます。

現状に戻ったなら、それは自分を責めるタイミングではありません。

行動のサイズや環境を見直すタイミングです。

変われないのではなく、続けられる形にまだ調整できていないだけ。

そう考えるだけで、もう一度始める力が戻ってきます。

今日できる小さな一歩

もし今、

「また元に戻ってしまった」

と感じているなら、今日やるべきことは大きな決意ではありません。

自分を責めることでもありません。

まずは、紙にこう書いてみてください。

「今の自分でも続けられる、一番小さな行動は何か?」

大切なのは、立派な目標を立てることではありません。

今の自分でもできるくらい、小さな行動を決めることです。

  • 1分だけ歩く。
  • 1ページだけ読む。
  • 1行だけ書く。
  • 机の上を少し片づける。
  • 明日の準備をひとつだけする。

それで十分です。

小さすぎると思うくらいでかまいません。

なぜなら、人生を変える最初の一歩は、いつも小さいからです。

今日だけでいい。
まずは一つだけやってみる。

未来は、その小さな一歩から変わり始めます。

終わりに

人は、変われないわけではありません。

変わる前に、自分を責めて止まってしまうだけです。

必要なのは、気合いではなく仕組みです。
完璧さではなく、戻ってくる力です。
大きな変化ではなく、小さな一歩です。

変化とは、ある日突然、別人になることではありません。

昨日と少し違う自分を、今日も積み重ねること。

その小さな積み重ねが、やがて自己イメージを変え、行動を変え、人生の流れを変えていきます。

今の自分を否定しなくて大丈夫です。

変わるために必要なのは、今の自分を責めることではなく、今の自分でもできる一歩を見つけること。

その一歩を、今日から始めていきましょう。

 

 

 

 

 

関連記事

  1. 笑顔でレジリエンス力を高める~ユーモアの力

  2. ストレスとの向き合い方

  3. 40代からの危機を乗り越えるレジリエンス術

  4. 「いつか」は「きっと」こない

  5. 日産自動車代表取締役会長カルロス・ゴーン氏が逮捕!?心理面を…

  6. 新しい出会いの季節!全力で応援します!!

朝活学習会In札幌情報

 

 

次回の第64回朝活学習会は
未定(日)
9:00~

詳しくはこちらから

 

研究所通信を読む

研究所通信は、週2回発行されています。

 

どなたでも無料で読むことができます。

 

ブログでは書ききれなかったことや
特別支援教育やレジリエンス教育に
関する新しい情報が載っています。

 

通信を読んでみる

 

通信が、迷惑メールに入って

いないか確認してね。

 

LINE公式アカウント

 

気軽に登録して、いろいろ質問してみてください。いろいろな情報も届きます。

 

友だち追加

最近の記事

人気の記事 おすすめ記事

代表ツイッター

PAGE TOP