価値を見いだせる能力がある人間か・ない人間か それが問題だ!

こんにちは、ストレス社会で毎日ストレスにさらされ心痛めて心が折れ、職場をやめたり、命を落とす人を一人でもなくしたいという思いから、強いストレスにさらされても心折れることなく、柔軟でしなやかな心をつくる手助けをしているレジリエンストレーナーの長沢です。

大泉洋主演で話題の映画「こんな夜更けにバナナかよ」の原作者である渡辺一史氏の3冊目の本がでたので、紹介したいと思います。

渡辺氏は、『こんな夜更けにバナナかよ』を含めこの15年間で3作と非常に寡作です。しかし、数々の受賞歴を持っています。

例を挙げると、第1作の『こんな夜更けにバナナかよ』で大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞を受賞、第2作『北の無人駅から』でサントリー学芸賞、石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞、地方出版文化功労賞などを受賞しています。

そして、第3作となるのが今日ご紹介する『なぜ人と人は支え合うのか』。とても考えさせられる内容です。

渡辺氏がなぜここまで寡作なのかちょっとわかった気がします。

取材相手との信頼関係を築くとても丁寧な取材を行っています。それが読んでいて本当に伝わってきます。本作も5年の歳月が費やされたそうです。

はじめにー「障害」という問題を通して社会保障制度を根底から考えなおしたい

障害者について考えることは、じつは健常者について考えることであり、同時に、自分自身について考えることでもあります。

とりわけ、重度の障害がありながらも、地域で自立した生活を送っている人たちの試みをたどることは、普段は見過ごしていた自分と他者との関わりだとか、人と社会に関わり、あるいは、そもそも人が生きるとはどういうことなのかを考えていく上で、とても学ぶべきことが多いのです。

そして、障害のある人たちが生きやすい社会をつくっていくことは、結局のところ誰のトクになるのか、という素朴な視点で、福祉という発想を根本から問い直してみたいと思っている。P-12 「はじめに」より

と渡辺氏は述べています。当然、『こんな夜更けにバナナかよ』での鹿野氏との出会いは大きかったのですが、2016年に神奈川県相模原市でおきた「やまゆり園障害者殺傷事件」とその犯人の供述がもっと根本的な問題「なぜ人と人は支え合うのか」を考えさせることになっていきます。

「障害者なんていなくなればいい」に対する答えを求めて

『やまゆり園障害者殺傷事件」の犯人 植松聖の「障害者なんていなくなればいいと思った」「障害者は不幸を生むだけ」などとの供述を聞いた著者は、その「主張」を多くの人の心にも潜むものではないかと問いかけます。著書にも登場する哲学者の最首悟氏も「植松青年のような考え方、見方というのは、じつは、多数派なのかもしれない」(P-38)と述べています。

実際にネットでは、植松被告と同じような書き込みが多数見られるとして次のような例を上げています。

「障害者って、生きている価値はあるんでしょうか?」

「なんで税金を重くしてまで、障害者や老人を助けなくてはいけないのですか?」

「どうして強い人間が、弱い人間を活かすために働かなきゃならないのですか?」

「自然界は弱肉強食なのに、なぜ人間社会では、弱者を救おうとするのですか?すぐれた遺伝子が生き残るのが、自然の摂理ではないですか?」(P-39)

著者は、この「素朴で露骨で、一見モラルやデリカシーを欠いているかのようにも思える問いは、自らの存在意義に対する真摯な省察ともつながる」として、答えを求め、多くの障害者の人達とその家族に向き合い取材をしていくことになります。

重度障害者の自立生活運動

著者は、鹿野さんとの経験を含め多くの、重度障害者の生活を取材しました。その運動には『「自立」という言葉の概念をひっくりかえすような、まったく新しい意味・主張が込められている』といいます。つまり、自立を、「他人の助けを借りずに、自分で何でもできること」ではなく、「自分の人生をどうしたいかを自分で決めること。そのために他人や社会に堂々と助けを求めること」と180度転換しました。

そして、この重度障害者の自立生活運動が、人や社会をどう変えてきたのかを詳しく述べていきます。詳しくは著書をお読みください。

なぜ人と人は支え合うのか~重度障害者の存在価値とはなにか

この本の中に、脊髄性筋委縮症Ⅱ型という難病当事者の海老原宏美さんという方が、小池百合子都知事に出した手紙がでてきます。それが、「素朴で露骨で、一見モラルやデリカシーを欠いているかのようにも思える問い」に対する著者の一つの答えだと思います。

全て書いてしまうとネタバレのようになってしまうので、触りだけ引用します。

私たち、重度障害者の存在価値とは何でしょうか。

私は、「価値のある人間と価値のない人間」という区別や優劣、順位があるとはおもいません。価値は、人が作り上げるもの、見出すものだと信じているのです。

(中略)

価値を作り出しているのは人の心です。これは、唯一人間のみ与えられた能力だと思います。

(PP207-208)

この手紙は、新聞でも取り上げられ多くの人たちの共感と賛同を呼んだとされます。

終わりに

多くの人にぜひ読んでほしい本です。ちくまプリマー新書というのは、主に、高校生や大学生などのビギナーを対象としたシリーズだそうです。そうであるならなおのこと、そのような人たちにはぜひ読んでもらいたいと思います。

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