第3回の朝活は、参加者がいなかったので、Webスクールのコンテンツを作っていました。6月中には会員募集ができそうです。
第4回の朝活は、「日大アメフト問題」をレジリエンス教育の観点から考えてみました。
コラム「おすすめの本」で書いた、中井久夫さんの著書『いじめの世界を生きる君たちへ』への反響とお問い合わせがあり、いじめについて少し掘り下げたコラムを書いていたところでした。
たまたま同じ時期に、あの日大アメフト問題が話題になってきたので、レジリエンス教育の観点からどう考えればよいのかを話題にしました。
僕が話したことは、
- 日大のアメフト問題はいじめと同じ構造
- 問題が起きる原因と解決策
について話しました。
そして、参加者の皆さんと自分の関わる集団について話し合いました。
日大アメフト問題は、いじめの構造そのもの
日大アメフト問題の全体的な構造は、いじめの構造と全く同じです。
中井氏は、『いじめの政治学』の中で、いじめは「奴隷化の過程」だと書きました。まさに学生は奴隷のごとく意思は持たず、反発せず、言われたことを確実に実行するように育てられたのです。オウム真理教のようなカルト教団や軍隊での洗脳と上意下達の構造です。
今回の日大アメフト問題の構造は、まさにオウム真理教の事件と同じ構造と言えます。
日大アメフト問題のようなことがどうして起きるのか
いじめの起きる環境は、閉鎖的な集団(学校・学級など)や全体主義的な統制の取れた集団(軍隊・部活動集団~運動部に限りません)、仲良し集団の中で起きやすいといわれています。
なぜこのような環境でいじめが起きやすいかというと、集団は、集団を高めたり守ったり維持することが求められます。
その方法として、「制裁」や「排除」といった手段がとられます。そして、そこでは一部の人間にとっては快の感情や権力欲が刺激されるからです。
要するにいじめは楽しいのです。いじめは権力欲が刺激されるのです。権力欲は欲の中でも一番強くとめどない欲です。楽しいことはなかなかやめられません。権力欲は無制限です。
こうして、どんどんエスカレートしていきます。残念ながら、これらの快と欲はなくすことはできません。
ここにいじめがなくならない理由があります。
レジリエンス教育の観点から解決策を考える
いじめは無くならないけれど、制御したり解決したりする方法は考えられます。
レジリエンス教育の観点から考えられる有効な一つの方法は、メタ認知を高めることです。メタ認知というのは、簡単に言うと自分を客観的に観て、自分の行動や考えをコントロールする力のことです。
レジリエンス教育は
- ポジティブ心理学
- レジリエンス研究
- PTG(心的障害後の成長)
- 認知行動療法
の4つを実証的ベースとして持っています。
これらをベースにしたレジリエンス教育を経験することで、自分の考え方のパターンを学び、状況に対して自分をコントロールしてく力を身に着けていくことで、いじめに対処していくことができます。
もちろんこれだけですべてが解決するわけではありません。あくまでレジリエンス教育からできる方法の一つです。
まとめ
第4回朝活勉強会の様子をまとめました。今回は、日大アメフト問題をレジリエンス教育の観点からお話ししました。
- 日大アメフト問題は、いじめと同じ構造の下で起きたこと。
- いじめの起きる環境は集団の中で起きやすいこと。
- いじめがなくならない理由は快と欲が得られるから。
- いじめを解決する方法の一つとして、メタ認知を高めることが有効
ということを話しました。
付け加えるなら、いじめは決して、「通過儀式」だとか「いじめに負けない人間になって社会で通用する人間になる」などといったものではありません。いじめについてはコラムを読んで下さい。