こんにちは。ストレス社会で毎日ストレスに晒され心痛め、心を病んだり、職場をやめたり、命を落とす人を少しでも無くしたいという思いから、強いストレスに晒されても、折れない、柔軟でしなやかな心を作るお手伝いをしているアドバンス・レジリエンストレーナーの長沢です。
昨日は、テレビドラマでも、レジリエンスの高い主人公とレジリエンスなストーリーなら観ている人が実存的に共感し励まされるものだよねという記事を書きました。
今日は、テレビドラマと同等、いやそれ以上のインパクトを僕たちに与えてくれるスポーツ選手のレジリンスな物語に学びます。
スポーツ選手は、度重なる試練や逆境をどのような力と方法で乗り越え、栄光を手にしてきたのか興味ありますよね。
スポーツ選手はどのような方法で逆境を乗り越えてきたのか
あなたはレジリエンスが高い人は誰?と聞かれたら誰を思い浮かべますか?僕は、今ならフィギュアスケートの羽生結弦選手なんですよね。以前なら武井壮さんが浮かんでいました。
レジリエンスの高い人は誰?という質問をすると多くの人は、身近な人を上げる場合もあるのですが、スポーツ選手や歴史上の偉人を上げる方が多いです。以下は、僕がこれまでみてきたスポーツ選手の印象に残っている逆境を乗り越えてきた物語です。きっとあなたも覚えているシーンもあると思います。
泣きじゃくる 内川聖一選手(プロ野球選手)
2013年のWBC(ワールド・ベースボール・クラッシ)準決勝の出来事です。痛恨のダブルスチールの失敗でした。一塁にいた同点ランナーの内川選手は、2塁走者を確認せず走ってしまい、2塁直前で立ち尽くしアウトとなってしまいました。試合後泣いている内川選手の顔が映し出されましたね。かなり批判・非難がでた出来事でした。
内川選手は帰国後何度も繰り返してあのシーンを観たそうです。そしてこう語っています。
自分がミスをする姿は見たくないし、それが本当の自分だと思いたくない。でも自分のだめな部分を認めないと人は強くなれない。
他の人の顔が見られない 駒野友一選手(プロサッカー選手)
南アフリカワールドカップ決勝トーナメントでの第1戦でした。PK戦になった試合で3番めにPKを蹴ったのが駒野選手でした。結果は、ゴールクロスバーを叩いて失敗。駒野選手は両手で顔を覆って号泣していました。この時、駒野選手は、このように振り返っています。
緊張はしていなかった。集中できていた。ワールドカップは2度目だったし、雰囲気にのまれたことはない
それに対し、あるサッカー解説者は、ボールが上ずったということは踏み込みが浅いということで、力んだ証拠だと言っていました。つまりどういうことかというと、本人は意識とかできていないかもしれませんが、相当な興奮状態だったということです。
帰国後、駒野選手は「負けたのはお前のせいだ」と言われる気がして、人とすれちがうだけでビクビクし人の顔が見られなくなったそうです。そんな駒野選手を救ったのは、けっして彼を責めない家族だったそうです。
ソチオリンピックでの奇跡の演技 浅田真央選手(フィギュアスケート)
ショートプログラムでのまさかの16位からフリープログラムでの「軌跡の演技」はどうして生まれたのか。浅田選手はソチ五輪の前バンクーバーでは銀メダルに終わっています。その巻き返しも狙ってのソチ五輪。最初のプログラムでは予想外の16位にどれだけ心折れたかと想像します。観ていた僕もあっけにとられ、もうだめだなと思ったくらいの順位でした。
大変な葛藤があったことは翌日朝の練習風景からも伝わってきました。午前中の練習がテレビで報道された時はびっくりしました。顔は画面越しでもわかるくらいに蒼白で、無気力感が伝わってきました。きっと寝られなかったのだろうなと想像しました。それが、夜の本番になると、
こんなにすごい会場を見て、やるしか無いと心に決めた
と、彼女の代名詞でもあるトリプルアクセルはじめジャンプすべてを決め完璧な演技を見せました。世界中から絶賛されました。まさに「ゾーン」に入った演技でした。
世界選手権を棄権した 高橋尚子選手(マラソン)
シドニーマラソン金メダリストの高橋選手は、その前にある世界選手権をケガのため棄権しています。この時、高橋選手は号泣したと伝えられています。
高橋選手は、走るために生まれてきたといわれる程走ることが好きで、練習を休めと言われても、散歩に行くふりをして走っていたそうです。でも、世界記録が狙えるほどの絶好調のときに足を痛め、世界選手権を棄権しました。直前まで出場する、しないで小出監督と言い争ったといます。しかし、
五輪に勝てば監督やチームメートはもっと喜んでくれる。
と目の前の大会にいつもすべてをかけてきた考え方を少しかえて、再調整を成功させオリンピックで金メダルを獲得しました。
足の怪我を克服、金メダル獲得でオリンピック2連覇を果たした羽生結弦選手(フィギュアスケート)
オリンピック本番まで5ヶ月を切るという時期に足を怪我。氷上練習を始めたのがオリンピック3週間前だったという羽生選手が、オリンピック2連覇で、金メダルと獲得したときにはもう感動しかありませんでした。
羽生選手はインタビューで
自分の弱さが見えた時は、自分が強くなりたいという意志がある時。だからこそ強くなりたいんだと思って、一生懸命に頑張っている。
困難や逆境が気付きをもたらし、転機となり成長の糧となる。失敗は不幸なことではない。それを乗り越えることで人生を豊かに味わい深くするということを僕たちはこれらの選手から学ぶことができますよね。
スポーツ選手が逆境を乗り越えてきた力とは何か
それでは、各選手たちがどのような力で逆境を乗り越えてきたのかを見ていきましょう。
逆境を乗り越える力のことを逆境力の筋肉、レジリエンスマッスルともいいます。スポーツ選手は高い目標に向かって毎日の厳しい練習を行うことで、このレジリエンス筋肉を強くしていっているのかもしれませんね。今回挙げた選手たちにみられるレジリエンス筋肉を考えてみたいと思います。
レジリエンスの筋肉には代表的なものが4つあります。
ソーシャルサポート(自分には信頼できる人、助けになってくれる人がいるとおもえること)
- 駒野選手は、人とすれちがうのも嫌になるほど心に傷を追いました。それを家族の支えで乗り越えています。自分にはどんな事があっても支えてくれる家族があると思えたのですね。
- 浅田選手は、佐藤コーチやお姉さんからのサポートがあったと言ってますよね。
- 羽生選手は、コーチへの信頼をいつも話していますね。
自尊感情(自分を過小評価することなく自分の強味と弱味がわかること)
- 内川選手は、「自分のだめな部分を認めないと強くなれない」とふり返っているように、逆境を悲観して、自分を追い詰めていないところがすごいですよね。そして、失敗から学ぶことで自分の選手としての理想像を再認識するためにビデオを見直したりしています。
- 高橋選手は、練習に裏打ちされた自分を信じる強さがあります。
- 羽生選手は、やはり過去の自分の成功体験に裏打ちされた自身があります。
自己効力感(自分にはできると思えたり、毎日成長・前進していると感じることができること)
- 浅田選手は過去の成功体験や理想の自分像、今の自分を受け入れる潔さを感じます。
- 高橋選手は、逆境を越えるきっかけを逃さない強さがあります。
- 羽生選手は、怪我をして、氷上での練習ができないときからイメージトレーニングなど勝つための練習を怠りませんでした。
ポジティブ感情(好きなことや好きなものがあり、失敗してもいつか成功すると考えられること)
高橋選手は、自尊感情からくる楽観性も感じます。
これらの力は誰でもが持っているものですが、筋肉というくらいですから毎日使って鍛えないと弱くなっていくものです。この力を上手に使えるようになると困難や逆境に直面したときに役に立ちます。
まとめ
スポーツ選手の逆境を乗り越える力と方法は感動がいっぱいですね。
- 内川選手
- 駒野選手
- 浅田選手
- 高橋選手
- 羽生選手
の逆境の状況をみてきました。彼らが逆境を乗り越えるのために使った力はレジリンスの力でした
- ソーシャルサポート
- 自尊感情
- 自己効力感
- ポジティブ感情
これらの力は誰もが持っていますが、鍛えないと弱くなってきます。
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