人生を変える人が必ず持っている「視点の力」とは ― 出来事は変えられない。でも、意味は変えられる ―

同じような出来事を経験しても、その後の人生が大きく変わる人と、なかなか前に進めない人がいます。

たとえば、仕事で大きな失敗をしたとします。

ある人は、その失敗をきっかけに自信を失い、何年も引きずってしまうかもしれません。

一方で、ある人は深く落ち込みながらも、

「この経験から何を学べるだろう」

と考え、次の成長につなげていきます。

同じ失敗なのに、その後の歩みがまったく違う。


こんにちは、ハーバード大学流心理学で心と脳をポジティブに整える専門家、長沢修司です。

今日、新しい気付きや心動くこと見つけましたか?

自分の強みを生かしながら、モチベーション高く、前向きに、そして、ワクワクしながら、自分で考え行動し、ポジティブで健康な心で生きられるようにサポートしています。

同じ出来事なのに、人生が変わる人と変わらない人がいる

これはなぜなのでしょうか。

能力の違いでしょうか。
運の違いでしょうか。
もともとの性格の違いでしょうか。

もちろん、そうした要素もゼロではないかもしれません。

けれど私は、それ以上に大きな違いがあると思っています。

それは、

物事を見る視点

です。

人生を変える人は、特別に苦労が少ない人ではありません。

傷つかない人でも、失敗しない人でもありません。

苦しい出来事に出会ったとき、その出来事をどう見るか。
どんな意味を見つけるか。
そこから何を学び、次にどう生かすか。

この「視点の力」を持っている人が、人生を少しずつ変えていくのです。

人生を決めるのは「出来事」ではない

私たちはつい、出来事そのものが人生を決めると思いがちです。

失敗したから、自分はダメになった。
人に否定されたから、自信を失った。
環境が変わったから、不安になった。
うまくいかなかったから、もう挑戦できない。

確かに、出来事は私たちの心に大きな影響を与えます。

つらい経験をすれば傷つきます。
思い通りにいかなければ落ち込みます。
大切なものを失えば、簡単には立ち直れません。

だから、出来事の影響を軽く見る必要はありません。

しかし、人生を長い目で見たとき、本当に大きな差を生むのは、出来事そのものだけではありません。

その出来事を、どう解釈したかです。

同じ失敗でも、

「自分には価値がない証拠だ」

と捉える人もいれば、

「自分に足りないものを教えてくれた経験だ」

と捉える人もいます。

同じ別れでも、

「自分は愛されない人間だ」

と捉える人もいれば、

「これからの人生を見直すきっかけだ」

と捉える人もいます。

同じ病気や不調でも、

「もう終わりだ」

と捉える人もいれば、

「今までの生活を見直すサインかもしれない」

と捉える人もいます。

出来事は同じでも、意味づけが変われば、その後の感情や行動が変わります。

心理学では、このように物事の見方や捉え方を変えることを「リフレーミング」と呼びます。

人生を変える人は、出来事をなかったことにしているわけではありません。

ただ、その出来事に与える意味を変えることで、次の一歩を見つけているのです。

リフレーミングとは何か

リフレーミングという言葉を聞くと、少し難しく感じるかもしれません。

でも、考え方はとてもシンプルです。

リフレーミングとは、物事を見る「フレーム」を変えることです。

フレームとは、ものの見方の枠のようなものです。

私たちは同じ出来事を見ていても、どんな枠を通して見るかによって、受け取り方が変わります。

たとえば、失敗という出来事があります。

「失敗=終わり」と見ると、その出来事は自分を責める材料になります。

けれど、

「失敗=経験」と見ると、その出来事は次に進むための学びになります。

失恋も同じです。

「失恋=自分が否定された」と見ると、深く傷つき、自分の価値まで疑ってしまいます。

でも、

「失恋=新しい人生の始まり」と見ることができれば、少しずつ未来へ目を向けられるようになります。

転職もそうです。

「転職=不安定になること」とだけ見ると怖くなります。

しかし、

「転職=新しい挑戦」

と見ることができれば、その不安の中にも成長の可能性を見つけることができます。

病気や体調不良も同じです。

もちろん、病気そのものはつらいものです。
無理に前向きに受け止める必要はありません。

ただ、時間が経ったときに、

「自分の生活を見直す機会だった」
「健康の大切さに気づかせてくれた」
「人の痛みに少し寄り添えるようになった」

という意味を見つけることはできます。

出来事そのものが変わるわけではありません。

過去に起きたことを消すこともできません。

しかし、その出来事にどんな意味を与えるかは、少しずつ変えていくことができます。

それがリフレーミングです。

視点が変わると感情が変わる

視点の力が大切なのは、見方が変わると感情が変わるからです。

私たちは、出来事そのものによって苦しんでいるように感じます。

しかし実際には、出来事に対する意味づけによって苦しんでいることが少なくありません。

たとえば、誰かから厳しい言葉を言われたとします。

その言葉を、

「自分は否定された」

と受け取ると、強い怒りや悲しみが生まれます。

しかし、

「相手も余裕がなかったのかもしれない」
「自分の改善点を考えるきっかけかもしれない」
「すべてを真に受ける必要はない」

と捉えることができれば、感情の揺れ方は少し変わります。

もちろん、傷つかなくなるわけではありません。

嫌なものは嫌ですし、つらいものはつらいです。

けれど、意味づけが変わると、感情に飲み込まれにくくなります。

感情が変わると、行動も変わります。

「自分はダメだ」と思えば、行動する力は弱くなります。

でも、

「今回はうまくいかなかった。でも次に変えられることがある」

と思えれば、もう一度動き出すことができます。

行動が変われば、当然、未来も変わっていきます。

つまり、人生は出来事によって一方的に決まるのではありません。

出来事をどう見て、どんな意味を与え、次にどんな行動を選ぶか。

その積み重ねによって、人生の流れは少しずつ変わっていくのです。

視点が変わる。
感情が変わる。
行動が変わる。
人生が変わる。

この流れを知っている人は、逆境の中でも自分を立て直すことができます。

レジリエンスが高い人は「意味」を探している

私はレジリエンスを「心の筋肉」と表現しています。

レジリエンスとは、困難や失敗、逆境に直面したときに、そこから立ち直る力のことです。

ただし、レジリエンスが高い人とは、何でも前向きに考える人のことではありません。

悪い出来事を無理やり良いことだと思い込む人でもありません。

つらいものを「つらくない」と言う必要はありません。
悲しい出来事を「よかった」と思う必要もありません。
苦しい経験を、すぐに美談に変える必要もありません。

レジリエンスが高い人は、まず自分の感情を認めます。

「これはつらい」
「悔しい」
「悲しい」
「不安だ」

そう感じる自分を否定しません。

そのうえで、少し時間が経ったときに問いを変えます。

「なぜこんなことになったんだ」

だけで止まるのではなく、

「この経験から何を学べるだろう」
「この出来事は、自分に何を教えてくれているのだろう」
「次に同じことが起きたら、何を変えられるだろう」

と考えていきます。

ここに、視点の力があります。

人生を変える人は、苦しい経験を消しているわけではありません。

その経験の中から、自分にとって意味のあるものを見つけようとしているのです。

意味を見つけることができると、人は少しずつ立ち上がれます。

「ただ苦しかっただけの経験」ではなく、

「自分を成長させるきっかけになった経験」

として受け止め直すことができるからです。

これが、レジリエンスを支える大切な力です。

私自身も、視点が変わって救われた経験がある

私自身も、これまで何度も視点の力に助けられてきました。

教員として働いていた頃、思うようにいかないことはたくさんありました。

生徒にうまく伝わらない。
保護者との関わりに悩む。
自分の指導に迷う。
一生懸命やっているつもりなのに、結果につながらない。

そんなときは、自分を責めることもありました。

「自分には力が足りないのではないか」
「もっとできるはずなのに」
「どうしてうまくいかないのだろう」

そう考えて、苦しくなることもありました。

しかし、時間が経って振り返ると、当時の失敗や迷いは、決して無駄ではありませんでした。

うまくいかなかったからこそ、人の痛みが少しわかるようになりました。

悩んだからこそ、相手の立場に立って考える大切さを学びました。

失敗したからこそ、次にどう伝えればいいのかを真剣に考えるようになりました。

そのときは「つらい出来事」だったものが、今では「自分を育ててくれた経験」に変わっています。

独立した頃にも、不安はありました。

これまでの環境を離れ、新しい道を進むことは、決して簡単ではありません。

本当にやっていけるのか。
自分の力は通用するのか。
この選択は正しかったのか。

そんな不安が何度も湧いてきました。

けれど、その不安も今振り返ると、自分に問いを投げかけてくれる大切な時間でした。

「自分は何を大切にして働きたいのか」
「誰に、どんな価値を届けたいのか」
「これからどんな人生をつくりたいのか」

不安があったからこそ、自分の軸を見つめ直すことができました。

また、手術や入院のように、自分ではコントロールできない出来事に直面したときもありました。

その瞬間は、決して前向きにはなれません。

身体の不安、生活への不安、先の見えない怖さ。

そうしたものを感じるのは当然です。

けれど、その経験を通して、健康のありがたさや、支えてくれる人の存在、当たり前の日常の尊さに気づかされました。

出来事そのものは変えられません。

しかし、時間をかけて意味を見つけ直すことはできます。

そして意味が変わったとき、その経験はただの傷ではなく、自分を支える力にもなっていくのだと思います。

視点を変える3つの質問

視点を変える力は、特別な人だけが持っているものではありません。

日々の中で、少しずつ育てることができます。

そのために役立つのが、自分への質問です。

つらい出来事があったとき、人はどうしても、

「なぜ自分だけこんな目にあうのか」
「どうしてうまくいかなかったのか」
「もうダメなのではないか」

という問いに引っ張られます。

もちろん、そう感じることも自然です。

しかし、その問いだけを繰り返していると、心は同じ場所で止まってしまいます。

そんなときは、少しだけ問いを変えてみてください。

まず一つ目の問いは、

「この出来事から何を学べるだろう?」

です。

すぐに答えが出なくても構いません。

大切なのは、失敗や苦しみを「終わり」と決めつけず、学びの可能性を探すことです。

二つ目の問いは、

「1年後、この経験をどう振り返っているだろう?」

です。

今はつらくても、時間が経つと見え方が変わることがあります。

1年後の自分なら、この出来事にどんな意味を見つけているだろう。

そう考えることで、今の感情から少し距離を取ることができます。

三つ目の問いは、

「この経験を誰かの役に立てるとしたら?」

です。

自分が悩んだからこそ、同じように悩む人の気持ちがわかることがあります。

自分が失敗したからこそ、誰かに伝えられることがあります。

自分が乗り越えてきたからこそ、誰かの希望になることがあります。

経験の意味は、自分の中だけで完結するとは限りません。

誰かの役に立ったとき、過去の出来事の意味が大きく変わることもあります。

この3つの問いは、無理にポジティブになるためのものではありません。

出来事に飲み込まれず、自分の視点を取り戻すための問いです。

今日できる小さな一歩

今日できる小さな一歩として、最近あった嫌な出来事を一つ思い出してみてください。

大きな出来事でなくても構いません。

誰かの言葉に傷ついた。
仕事でうまくいかなかった。
予定通りに進まなかった。
自分にがっかりした。
人と比べて落ち込んだ。

そんな小さな出来事で大丈夫です。

そして、紙にこう書いてみてください。

「この出来事が私に教えてくれたこと」

すぐに前向きな答えを書こうとしなくても大丈夫です。

無理にきれいな意味をつける必要もありません。

最初は、

「自分は本当は傷ついていた」
「期待していたから落ち込んだ」
「休む必要があったのかもしれない」
「準備の仕方を変える必要がある」
「人に相談することも大切だとわかった」

そんな言葉で十分です。

大切なのは、出来事に対して一つの見方だけで終わらせないことです。

答えは一つではありません。

今日見つかる意味と、1年後に見つかる意味は違うかもしれません。

それでいいのです。

問い続けることそのものが、視点を育てる練習になります。

視点が変われば、感情が少し変わります。

感情が変われば、次の行動が変わります。

そして小さな行動の変化が、未来の自分を少しずつ変えていきます。

まとめ

人生を変える人は、人生に起きる出来事をすべて思い通りに変えているわけではありません。

むしろ、思い通りにならない出来事に何度も出会っています。

失敗することもあります。
傷つくこともあります。
不安になることもあります。
立ち止まることもあります。

それでも、そこで終わりにしません。

出来事の意味を見つけ直し、そこから学び、次の一歩につなげていきます。

出来事は変えられません。

過去に起きたことを消すこともできません。

しかし、その出来事にどんな意味を与えるかは変えられます。

意味が変われば、感情が変わります。
感情が変われば、行動が変わります。
行動が変われば、人生の流れが変わっていきます。

人生を変える人が持っているのは、特別な才能だけではありません。

物事を見る視点の力です。

今、つらい出来事の中にいる人もいるかもしれません。

すぐに前向きにならなくて大丈夫です。

まずは、

「つらい」
「悔しい」
「不安だ」

という気持ちを認めてください。

そのうえで、少し落ち着いたときに問いかけてみてください。

「この出来事は、私に何を教えてくれているのだろう?」

その問いが、あなたの視点を少しずつ変えてくれます。

そして視点が変わったとき、同じ出来事でも、人生に与える意味は変わっていきます。

出来事は変えられない。

でも、意味は変えられる。

その意味を変える力が、これからの人生を静かに、しかし確実に変えていくのです。

それでは、また!!

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