こんにちは、ストレス社会で毎日ストレスにさらされ心痛め、心が折れ職場をやめたり、命を落とす人を一人でもなくしたいという思いから、強いストレスにさらされても心折れることなく、柔軟でしなやかな心をつくる手助けをしているレジリエンストレーナーの長沢です。
ストレス社会といわれて久しい今日、レジリエンス力がますます注目されています。レジリエンスと言うと「折れない心」とか「逆境に打ち勝つ」とかいわれていますが、そこからどんなイメージを持ちますか?「強い」「かたい」「鋼」「頑丈」などですか?でも実はレジリエンスというのは、自分の置かれた状況を前向きに、柔軟でしなやかに捉え対処していくことなんです。
今日は、このレジリエンスについて明らかにしようと試みた面白い実験を紹介したいと思います。実験内容と結果については、4年程前にNHKクローズアップ現代で取り上げられたものを引用させていただきました。
実験内容と結果
実験は、埼玉学園大学の児玉正博先生が行ったものです。
実験は、けん玉を使って、初心者に難しい課題に挑戦してもらって、その挑戦にどう向き合うかを観察しました。
実験結果
- 20分位で諦めてしまった人(心が折れやすい)
- 一時間以上に渡って挑戦を諦めなかった人(心が折れなかった)
に分かれました。そして、それぞれには共通した特徴がることがわかったそうです。
20分位で諦めてしまった人(心が折れやすい)の特徴
- 感情の起伏が激しい
- 1回1回の結果に対して反応が強すぎる
- 最初から諦めていた
- 自分の力を過小評価する傾向がある
一時間以上に渡って挑戦を諦めなかった人(心が折れなかった)
- 失敗を繰り返す中で、少しずつ成長していると感じることができる
- いつかできるだろうという気持ちを持つことができる
ということ特徴を見出すことができたとのことです。これらのことから分かることとして次のようにまとめることができます。
レジリエンスには、
- 状況に一喜一憂しない感情をコントロールする力が関係する
- 自分の力を過小評価しない自尊感情が関係する
- 自分が成長前進していると感じることができる自己効力感が関係する。
- 失敗の中でもいつかできると考える楽観性が必要
ということが分かったということでした。
これって、まさに4つのレジリエンスの筋肉とほぼ一緒ですね。レジリエンスの4つの筋肉は以下の記事を観てください。
まとめ
実験結果からわかったレジリエンスに必要な力は
- 状況に一喜一憂しない感情をコントロールする力が関係する
- 自分の力を過小評価しない自尊感情が関係する
- 自分が成長前進しているという感じることができる自己効力感が関係する。
- 失敗の中でもいつかできると考える楽観性が必要
レジリエンスの力(レジリエンス筋肉)は
- 苦しいとき、困難なんとき助けてくれる人・仲間がいるというソーシャルサポート感
- 自分の強み・弱みを知っている自尊感情
- 自分にはできるという自己効力感
- 自分には好きなものがあるというポジティブな感情
ほぼ一緒ですね。驚きです。
「状況に一喜一憂しない感情をコントロールする力が関係する」ということで少し説明すると、「折れない心」「逆境に負けない心」というと感情を見せないことと誤解されることがありますが、「感情を適度にコントロールする」ということです。
また、実験結果からは明らかになりませんでしたが、レジリエンスは「個人の力」というよりも「個人及び関係性の力」と捉えられています。