山崎賢人主演『羊と鋼の森』がいい レジリエンス教育的3つのポイント

今大人気の山崎賢人さんが主演をした映画『羊と鋼の森』は,山崎さんをしても大ヒットとはいきませんでしたが、レジリエンス教育の立場から見ると大変良い映画です。これから進路を決めなければならない高校生、大学生。そして、今の仕事に意味を見出せないと悩んでいる人等におすすめです。決して自分探しの映画ではありません。コツコツ努力することの意味を教えてくれます。

レジリエンス教育の視点から3つのポイントについて解説しました。

映画タイトルと主演

羊と鋼の森公式サイトから引用

タイトル:『羊と鋼の森』

監 督:橋本 光二郎

主 演:山崎 賢人

公 開:2018年6月8日

 

 

 

今人気の山崎賢人さん主演映画『羊と鋼の森』はおすすめ

映画『羊と鋼の森』の原作は、宮下奈都の小説『羊と鋼の森』です。2016年『火花』や『君の膵臓がたべたい』といった話題作を抑えて、本屋大賞を受賞した作品です。残念ながら、映画は、山崎賢人さんをしても大ヒットとまではいきませんでした。でもレジリエンス教育の観点からするととても良い映画です。

主人公・外村は、高校生の時学校のピアノを調律しに来た調律師・板鳥に出会います。板鳥を体育館まで案内した外村は、彼が調律する音を聞いて、家族とともに住む森の風景(においや音)を感じます。将来の夢をしっかりと持ってはいなかった外村はその音にみせられ、調律の世界へと足を踏み入れていきます。

調律の専門学校を卒業し故郷の北海道旭川に戻った外村は、板鳥と同じ楽器店に勤めることになります。そこで調律師の先輩たちや双子の姉妹、家族を亡くして引きこもっている青年など多くの人たちに支えられて調律師として成長してい行きます。

映画は、2時間以上にわたって外村の成長を丁寧に描いています。映画としては長編です。山崎さんといえば、最近では、テレビでは『グッド・ドクター』で自閉症の小児科医を演じて話題になっていました(ツイッターでもツイートせています)が、この映画では、主人公のピアノ調律師、外村を好演しています。

レジリエンス教育の視点から3つのポイント

この映画をすすめる3つのポイントをレジリエンス教育の視点から説明します。

レジリエンス教育の視点 1つ目のポイント

主人公・外村には頼りにできる人がいました。

主人公・外村には、頼りになる先輩調律師たちがいいます。調律がうまくいかないとき助けてくれる先輩・柳(鈴木亮平)はそんな先輩の一人です。

ある日、外村が調律の仕事に悩み漏らす言葉「僕に音を聞き取れる耳、音楽的才能など特別な才能があったらいいのに。」そんな時柳は、「才能があるから生きていくんじゃない。そんなものがあるのかわからない。あるとすれば、離れないこと、執着することかもしれない。」と仕事に対する向き合い方を伝えます。

外村が憧れる板鳥は、調律師として目指す音を聞かれた時、「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」と原民喜の詩を引用し、悩める外村にこたえます。

まさに逆境にあってくじけそうになった時に外村の周りには彼をサポートする人たちがいました。ソーシャルサポートとしての人間関係が築かれていました。

レジリエンス教育の視点 2つ目のポイント

主人公・外村は自分の強みを発見できました。

外村が、特別な才能があればいいのにと調律師としての自信を無くしかけていた時、先輩・柳が「外村は、植物や木のことは何でも知っているんだな。すごいな。」と話しかけます。そのとき、外村は、柳が外村の「強み」を指摘したことに気付かずに「木はしょせん木です。」と答えています。しかし、のちにこの言葉が、自分の「強み」への気付きと自己理解を高め自尊感情持つことへとつながります。

レジリエンス教育の視点 3つ目のポイント

主人公・外村には憧れの人がいました。

外村の憧れの人は、板鳥です。板鳥は、著名なピアニストからの指名でコンサート会場のピアノの調律をすることになります。そこでの板鳥の調律の仕事に触れることによって、外村は、調律師としての自分のすすむべき道を見つけ出します。

憧れの人をもてるということは目標をもてるということです。あんな大人になりたいとかあんな教師になりたいというように。外村の場合は板鳥のような、大きなコンサート会場での調律を任されるような調律師になりたいという目標ができました。これは、調律師という職業にコツコツとまじめに取り組んできたから見えたことでもありますよね。

まとめ

逆境や困難に直面した時、人は一人でそれを乗り越えることはとても難しいものです。それを乗り越えるためのポイントをいくつかをこの映画では教えています。

多分外村は、コミュニティー障害があったのではないかと推察します。それでも外村には

  • 頼りになる人が周りにいた
  • 自分の強みを発見できた
  • 本当の憧れの人がもてた

という3つのレジリエンスを高めるポイントがあり、調律師への道を一歩踏み出しました。

この映画は、

  • 職業選択
  • 仕事へ向き合うスタンス
  • プロ意識
  • 目的・目標
  • 家族

といったたくさんの大事なことを、静かな映像で語っています。

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